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泰安温泉で最も古い温泉「泰安警光山荘」

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台湾では、もともと原住民族が温泉で傷を癒したりといったことはあったようだが、本格的に温泉文化が花開いたのは日本統治時代。日露戦争の時には傷病兵の療養所として利用され、また軍にかわって統治を担っていた警察の招待所(保養所)が各地に作られた。その当時の警察招待所が「警光山荘」として今も何か所か残っており、一般の人も泊まったり、日帰り入浴で利用できるようになっている。

新しい温泉リゾートホテルと比べれば、施設は古くさく浴室も昔ながらの味気ないものではあるが、一種の史跡として見ればそれはそれで風情もあり、戦前の人も入っていた湯船に浸かるというのは貴重な体験だ。

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場所は温泉エリアの最奥部、そこから先は登山客しか進まないだろうどん詰まりにある。

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日帰り温泉は1人100元とお手頃価格だ。
せっかくなので入ってみた。

ちなみに通路の両側には客室があり、泊まることも可能。

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男女別・裸体入浴の浴室になっている。
露天風呂はない。

鍵のかかるロッカーなどはなく、浴室手前のロッカーは扉もない棚があるだけ。

警察関連の施設だし、おそらく優待料金で利用できる警察官&家族以外はそんな利用してないだろうなあと思いつつ、さすがに旅行中の全財産&パスポートを無防備に置いていくのはちょっと心配だったので、浴室の洗い場からもちらちら見ることができる浴室入口近くの棚に荷物を置いた。

浴室は広く、湯船も内湯のみだが結構大きい。
お湯は特に臭いなどもなく、温泉であることもつい忘れてしまうほどだが、ぼーっとのんびりいつまでも浸かってしまう雰囲気。レトロさ故だろうか。

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「泰安第一湯」と書かれた木も掲げられていた。
そう、ここが泰安温泉で最初に作られた温泉なんだよね。

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フロントから浴室までの間の通路には、日本統治時代の白黒写真が多数掲げられている。

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下の説明文は中国語のみだが、漢字を追うと意味もなんとなくわかるはず。

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当時の警察は、治安維持だけでなく統治機構としての役割も担っていたのだが、どうもこのエリアにはかなりの密度で駐在所が置かれていたようだ。

山深いエリアの原住民族の集落で、それほど日本人の居留者もいなかっただろう。初期には、日本人は警察官&その家族だけというところも多かったのではないだろうか。この温泉は故郷を離れ国外に赴任してきた彼らにとってどんな場所だったのだろうかと思いをはせたり。

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がっつり湯に浸かり芯まで温まったところで外へ。
一歩出れば、こんな山の中だ。

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ここも渓流に沿って道が作られ、その途中が集落になっている場所。
斜面には大きな土砂崩れの後も見られる。

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来るときはタクシーで来たが、わざわざまた呼ぶのも面倒なので、泰安温泉のホテル街まで歩いて行くことにした。警光山荘は一番奥のやや高台にあるのだが、下る分にはそれほど大変ではない。

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国家森林公園入口の看板をすぎると、まもなく泰安温泉の中心部だ。

記事最終更新日:2016/03/07
記事公開日:2016/03/04
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