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高雄市からバスで不老温泉&宝来温泉へ

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高雄市から内陸にバスで2時間半ほどのところに、不老温泉と宝来温泉という温泉がある。2008年の88水害で大きな被害を受けたところで、源泉も大きな被害にあったが、6年が経過しかなり復興したという。

バスは高雄駅のすぐ近くにある高雄バスターミナルから出ている。
といっても巨大なバスターミナルがあるわけではなく、複数の長距離バス運行会社がそれぞれターミナルを作っておりそれが並んでいる。

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MRTの高雄車駅。

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こちらが鉄道駅。
バスターミナルはここから歩いて2分ほどの場所。

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不老温泉&宝来温泉へ向かうバスは高雄客運。
旗山・美濃・六亀のさらに先にある。

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前日夜に確認しておいたのだが、不老・宝来方面に向かう直行バスは真ん中の8025路線の「六亀」行き。直行で宝来まで行くのは7:20が最初だが、横に「宝来」と書いてあるバス以外でも、六亀まで行ってそこからミニバスやタクシーに乗り換えれば恐らく行けると思う。ただ本数は非常に少なそうなので、高雄から直行で行けるものを選んだほうが安全だ。

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メモ代わりに路線図も撮影しておいた。
右上に大きく「六亀」と書いたところがあり、そこが六亀バスターミナル。

不老温泉は「頂新発」バス停で下りて30分ほど歩く。
(バスがあるらしいがこれも本数かなり限られている)

宝来温泉は、「宝来」もしくはその次の「宝来国小」バス停で降りる。泊まる宿泊施設がこのふたつのバス停の近辺ではない場合は、徒歩もしくはホテルからの迎えをお願いすることになる。

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まずは不老温泉まで。
チケットは293元だった。

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バスが定刻ちょっと遅れでバスターミナル入り口に到着。

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そこそこ乗っている。

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街なかを抜け、高速道路に乗り北東方面へ。

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そして山の中へ。
少し大きめのターミナルでは結構人の乗り降りがあった。

次第に小柄なおばあさんだらけになり、足腰は弱っている人が多いものの口はむしろ達者で、バス車内はとっても賑やかな状態に。何を話しているのか、それが中国語かどうかすらわからない状態。原住民族なのか、それとも客家の年配の方の言葉なのか・・・。

ところが降りる段階になって前で車掌さんに「どこから来た?」と聞かれ中国語で「日本から」と答えた瞬間、前の方に座っていたおばあさん達の目が一斉に集中。

「日本人ナノカ?」

なんと日本語で聞いてきた。

「はい、日本人です」

おお日本人だってよ、日本からだよと周りがざわざわ。

「ドコへ行ク?」
「不老温泉です」
「遠イヨ」「ユックリ行ケ」「気ヲツケテ」

他にも日本語話せる人が何人もいて、ついさっきまで何語を話しているのかすらわからなかったお年寄り達に日本語で見送られてしまった。

「台湾のお年寄りは日本語教育を受けているから」とよく言われるが、実際もう戦後70年近くが経過しているので、日本語による教育を受けたというか、強制的に受けさせられた世代は今の85歳以上。一昔前のように、「お年寄りは日本語ができる」というわけでは決してない。

まさかこんな山奥で日本語で話すことになるとは思わず、ちょっとびっくりした。

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そして車掌さんは、降りる予定だったバス停より少し先の、不老温泉への道の分岐点でおろしてくれた。高雄を出てから2時間50分ほどかかった。

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ここからがちょっと大変。
不老温泉のホテル密集地帯まで、50分近く歩き続けた。

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まずは橋。
3年前にできたばかりの新しい橋だ。

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冒頭で書いたがここは2008年の大型台風にともなう大雨で甚大な被害を受けた場所で、橋もほとんどがその後作られたものだ。道も寸断して孤立地帯になっていたらしい。

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不老温泉までは一本道なので迷うことはないものの、山の中で、たまにバイクが通るくらいなため寂しい。

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寂しいだけでなく、正直怖い。
低めのガードレールの先はうねうねと蛇行する川なのだが、自分の位置がそこからかなり高さあるのだ。

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一目見て大規模ながけ崩れを起こしていることがわかる場所も多い。

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途中には、観光スポットにもなっている彩虹山大仏も。

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椰子の木が両側に並ぶ参道のような道の先に大仏の手。

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高い山を背後に控え鎮座する大仏。

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そのうちに一軒目のホテルが見えてきた。
露天風呂エリアのほうからたくさんの声が聞こえてきたので、宿泊者はそこそこいるのかもしれない。

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この近くに新開記念公園があった。
名前的に、この集落を開拓した記念の公園なのかなと思ったら全然違った。

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ここにあった新開集落が、2008年8月8日の夜8時に、台風8号が引き起こした大雨で100年に一度かという未曾有の大災害にあい、土石流により一瞬にして28人が埋まってしまったという。

ちなみに、この88水害に夜犠牲者は他地区もあわせて700人近くに登る。

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周辺地図もあった。

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この地図だと、不老温泉からさらに5キロほどまっすぐ川沿いの道を登って行くと宝来温泉に着くことになっているが、工事中の道があり、私が訪れた2014年11月時点では車ではいけない。

なので、黄緑色のの橋まで戻って対岸に渡り、川の西側の道を走る必要がある。

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これは不老温泉で現在営業しているホテルの一覧。

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土石流によって埋もれてしまった新開地区は、今もまだ家屋再建などは行われておらず、更地のようになっている。ここに住んでいた人達は、六亀に土地を無償提供され、集団移住した。

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ここには自然災害の恐ろしさを次世代に伝える災害遺構として、埋もれてしまった三軒の家が残されている。

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見るだけで鳥肌が立つ。
近くまで行ける道もあったが、その気力は残っていなかった。

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その山側を見ると、土石流を防ぐための砂防ダムが作られている。

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ここからはしばらく、土石流被災地を走る道を歩いて行くことになる。

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そしてやっと辿り着いた新開橋。
ここを越えると不老温泉区だ。

ちなみにこの橋も新しく、2年前にできたばかり。

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この橋の下もこんな感じ。

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不老温泉区に到着!!!
さすがに旅行荷物すべて担いでの50分ウォークは厳しかった。

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不老温泉区の中でもっとも手前にある不老温泉渡暇村(不老温泉山荘)。

汗だくだったこともあり、スパゾーンから大勢の人の楽しげな声が響きわたっていたのでここで温泉利用することにした。

記事最終更新日:2014/11/30
記事公開日:2014/11/15
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