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初体験の野渓温泉に感動!太魯閣渓谷の「文山温泉」

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ここで質問です。
写真に写っているのは何でしょう?

実はこれ、温泉なんです。
念願だった台湾の野渓温泉、ここで初めて体験できました\(^o^)/

以下、その温泉体験レポートです。

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台湾東部の人気観光スポットと言えば、ダイナミックな渓谷美を楽しめる太魯閣渓谷。
大理石の岩肌が美しく、多くの観光客が集まる場所だ。

その太魯閣観光の終着地でもある天祥からさらに3キロほどいった渓流沿いに、文山温泉という野渓温泉がある。今回の台湾温泉ツアーの中でもっとも楽しみにしていた場所だ。

できれば楽したいということで、天祥でレンタル自転車・バイクをしているところがないか前日探したものの見つからず。やむなく歩いていくことに。

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前日バスに乗ってきた道は渓流沿い。
右側を見下ろすと、激しい勢いで川が流れている。

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いったいなぜにこんなにも蛇行するのか。
大きな岩もごろごろと転がっている。

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遊歩道の入口がこんなトンネルになっている場所も。

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あとトンネルが2つほどあるんだけど、照明がないトンネルは中まっくらだ。
徒歩や自転車で行く人は、車にはねられないよう、壁に沿って歩くくらいの注意が必要だ。結構スピードだして走っている車が多いので。

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そんなこんなで20分くらい歩いたころだろうか、後ろからやってきた一台の車が停まった。
何だろうと思っていると、中から少し年上で50代くらいの女性がこちらを見てにっこり微笑んだ。

「どちらまで?」
「文山温泉です」
「私たちも文山温泉なの。乗って行く?」

わー!!!
別にヒッチハイクしていたわけでもないのに、ひとりで歩いている自分を見かけて停まってくれたのだ。

助手席にも同じくらいの年齢の女性。お友達同士とのこと。
お言葉に甘えて乗せてもらった。

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ひとりは台中の人、もうひとりは花蓮の人。もう一台の車に乗った二人もあわせ四人で温泉にやってきたそう。

こちらが日本人と知り二人もびっくり。日本語の勉強をしているところだということで、片言の日本語を話すことができた。

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文山温泉は、泰山隧道(トンネル)の少し手前に降り口がある。
さらにその手前の駐車場に車を停めた。

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右側にある階段が入口。

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最初少しだけ登って、そこから下ってゆく。

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今は文山温泉は立ち入り禁止になっているんだけど、道はきれいに整備されていた。

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ここから下りだ。
現在は落石リスク故、一時的に閉鎖されているとある。

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渓流につながる階段。

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途中に公衆トイレがあり、着替えるスペースにもなっているのだが、現在は電気も通っていないので、中で着替えるのはちょっと難しい。ただそれほど人が次から次にやってくるわけではないので、建物内の外の光が差し込むスペースでさっと着替えちゃうのはありだと思う。

一緒に行った人も、手前で見張りをしててもらい、建物内で水着に着替えていた。

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中はこんな感じ。

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そして・・・

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吊り橋。

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下を見下ろすと、おおお、文山温泉だ!!!
人は一人だけだ。

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ちなみにもともと温泉の湯船になっていたのは、コンクリで固められた場所の内側。
2つにわかれた浴槽があったらしいのだが、現在はそこに湯はなく、湯船だった場所の外の洲になっているところが温泉になっている。

どうして渓流に飲み込まれずにいるのか不思議に思えるような場所だ。

ありし日の文山温泉はこんな感じ。

●文山溫泉

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「災害地区禁止侵入」の看板と柵。
でも誰も気にせず、その横の柱の外側を回り込んで柵を越えている。

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そして最後の階段。

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ここまで非常に整備された道であり階段だったのだが、最後ここだけは、木のステップも壊れ、足踏み外しやすくなっている。これもきっと土石流で壊れたのだろう。

夜中に同じ宿に宿泊していた自転車乗りの若いカップルが「今から温泉に行ってくる」と自転車に乗って暗闇の中に消えていったけど、真っ暗な中こんな階段を下りたのだろうか・・・すごいなあ。

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下から見るとこんな感じ。

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遂に到着!
もともと湯船だったところは今お湯一滴もなく、土がたっぷり入ってこんな状態。

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一角に、有志の人が設置したのか、簡単な着替え場所が作られていた。

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元湯船のへりに立っているのが、車に乗せてくれた親切なふたり。

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そしてすぐ横を流れる急流などまったく気にならないかのように自然の湯船に横たわる男性。
すぐ近くには本や魔法瓶が置かれている。

後で話を聞いたら、車で1時間ちょっとの花蓮の人で、この温泉の大ファン。数え切れないほど通ってきているのだという。

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ついにやってきましたよ文山温泉!
マーブル模様で曲線を描く岩肌も美しい。

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河原の温泉に行くためには・・・

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鉄筋もむき出しになった湯船の壁を降りていく必要がある。
それほど高さはないが、すべって転ぶと鉄筋で手足を傷つける危険性もあるので慎重にいこう。

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河原の温泉。
入ってびっくり。結構な温度があった。

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深さは、座るとおへそあたりまで湯に浸かるかどうかで、それほどではない。

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でもごろんと横たわればお湯に浸かることができる。

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私もさっそく。
こんな場所で温泉に入ったことはないので、かなり興奮だ。

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川と温泉は、上流のほうのポイントでつながっていて、川の水が少し入ってきている。
それによって温泉が少し薄められ、適温になっている。

水がちょうどいい分量だけ入るよう、きっと調整してあるのだろう。

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壊れた湯船のヘリには、ローソクの風防に使ったのだろう紙コップが並べられていた。
これおそらく、放置されたごみというのではなく、後から来る人も使えるように置いて帰ったのか、もしくは定期的にきている地元の人のものなのだろう。

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温泉のすぐ横を渓流が流れている。
うっかり転げ落ちたら、水の勢いでどこまでも流されて行ってしまいそう。

もちろん上流で大雨が降れば水量も増え、この河原の温泉は跡形もなくなるはず。
そしてまた誰かが、河原を掘り、水の流れを整えて温泉を作るのだろう。

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温泉に浸かれるのは河原だけではない。
岩の間にぽこっと空いた空間も温泉になっている。

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こちらのほうが、川の水で薄まっていない分温度が高く、ずっと入っていることはできない。でも高温のお湯が好きだというご夫婦ふたりは、河原に降りてくることはなくずっとこっちで、全身浸かったり、岩にあがって休憩したりを繰り返していた。

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車に乗せてくれた人たちから、リンゴやカステラなどいただき、いろいろお話もしながらお湯に浸かっていたら、あっという間に2時間。

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宿のチェックアウト時間の関係で、先にお暇することにした。
今度は、先に来ていた花蓮在住の男性が車で天祥まで送ってくれるという。

本当に台湾の人は親切。

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初めて体験した台湾の野渓温泉。

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いい人たちとも出会い、忘れられない思い出になった。
また来たい。

記事最終更新日:2016/03/07
記事公開日:2016/03/06
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