2019年初夏、谷関温泉に「星のやグーグァン」開業
2019年初夏、星のやブランドでは海外2軒目となる温泉リゾート施設「星のやグーグァン」が開業します。場所は台湾第二の都市・台中から内陸部に入った山間渓流沿いの高級温泉地「谷関温泉」。
本日開催された定例プレス発表会で全客室の写真と詳細が発表されました。当サイト管理人もご招待いただき星野代表のプレゼンを拝聴してきましたので、施設写真とともに期待の台湾初「星のや」をご紹介いたします。
谷関温泉ってどんな温泉地?
台湾は九州とほぼ同じ広さ(36,193km2)のサツマイモ形をした島国ですが、富士山より高い標高3,952mの玉山はじめ、険しい山々が中央部に連なる山岳国家でもあります。そして・・・
日本と並ぶ「温泉天国」
なんです。温泉地の数は実に100か所以上。
泉質のバリエーションも非常に豊富で、日本同様「温泉旅行」を心から愛する人達がたくさん存在します。
もともと台湾の温泉文化は日本統治時代に持ち込まれたものだったこともあり、温泉リゾートホテルでは浴衣の貸出を行っているところ、和室を設けているところなどもあり、戦前に日本の警察保養施設として作られた建物がレトロな外観そのままで温泉旅館として営業を続けているところも。
日本では台北市の北投温泉くらいしか知られていませんが、温泉好きな日本人にとっても魅力溢れる温泉地が国内に数多く点在するのが隣国・台湾です。
そんな中、「谷関温泉」は非常に人気の高い温泉地のひとつ。
渓流の両岸に大型温泉リゾートホテルが立ち並び、比較的高級な温泉地として知られています。
場所は台中から東に約60キロの山岳地帯で、3,886mの雪山など高い山々が連なる山脈の少し南、台湾の東西をつなぐ縦貫公路沿いにあります。
渓流に沿って作られた一本道の途中で、まるで関所のような立地からつけられた名前が「谷関温泉」だそう。海抜は800m、もともとタイヤル族によって明治時代に発見されたため「明治温泉」とも呼ばれていました。
1907年に、現地に暮らすタイヤル族によって発見されました。明治時代に発見されたことから「明治温泉」とも呼ばれていました。日本時代に警察の招待所がここに作られていました。当時、台湾で一般に利用できる温泉として経営されていたのは北投、四重渓、知本、そしてここ、谷関のみでありました。ここの温泉は良質の弱アルカリ性炭酸泉で、露出温度は62度、入浴する際の水温は約48度前後。その水質はPH値7.6と良好であるため、入っても肌を傷めないです。また温泉水は入浴するだけでなく、飲むことも可能です。谷関ホテルでは温泉水を使ったコーヒーを提供しており、好評を博しています。
台湾の山間の温泉地はそういう場所が多いのですが、渓流の両岸は切り立った崖と斜面になっており温泉街の中心部に架けられた吊り橋も観光名所に。名物である養殖のマス料理を出してくれる店などが並ぶ一角もあり、日本の昔ながらの温泉街を思わせるレトロな風景も目にすることができます。
星のやグーグァンオープン予定時期
前置きが長くなってしまいましたが、肝心の「星のやグーグァン」。
昨年9月に発表され、「2019年初夏開業」とのことでしたが、本日の星野代表のプレゼンでは「6月下旬あるいは7月」とのことでした。
既にスタッフの採用も終わり、現在は全員、日本国内の施設で研修を受けているそうです。
建物は既にできあがっており、台中市の盧秀燕市長が視察で訪れている写真も公開されました。市長が着用している赤いベストはこの地域に昔から住んでいるタイヤル族(泰雅族)の民族衣装。余談ですが日本でも活躍するタレントのビビアン・スーはタイヤル族の血をひく台湾人です。
星のやグーグァンの特徴
ここからは、プレスリリース資料をもとに紹介をしていきます。
上の写真は谷関温泉の中心部を流れる渓流「大甲渓」とそこにかかる「捎來(さおらい)吊橋」です。
そしてこちらが施設外観。
既存の温泉リゾートホテルが密集する温泉中心地からは離れた、山の尾根沿いにあります。
「星のやグーグァン」の敷地は、山々に囲まれた尾根の上にありますが、比較的平らな形状をしています。 いわば山上に浮かぶ平らな庭のような空間で、山々から恵まれる豊富な湧水と温泉の存在から、全体を「水の 庭」として設えました。
<特徴>
1.源泉かけ流しの温泉フロアを持つメゾネット客室
2.豊かに湧出する温泉と湧き水でデザインされたパブリック空間
3.豊富なアラカルトから日本料理まで、滞在シーンに合わせた料理
4.ダイナミックな自然が残る豊かな環境
谷関温泉の特徴のひとつはなんといっても豊富で安定した温泉と湧き水。
この資源ゆえ、施設内では贅沢なまでの源泉かけ流し温泉体験をすることができます。
どういうことかというと、客室は一部を除いてメゾネットタイプになっており、各部屋ごとに「温泉フロア」が併設されています。プライベートな半露天風呂はもちろん源泉かけ流し!
高台に建つ「星のやグーグァン」は、温泉だけでなく、湧き水を生かして設計しています。どこにいても水の気配を感じる仕掛けがあり、水路が張り巡らされたウォーターガーデンには心地よい水音が響き、水路を彩る花々や、木々の間を縫って流れる水が散策に楽しみをもたらします。温泉に入った後は、涼風が渡るウォーターガーデンを散策し、ガゼボでまどろむ、そんな心身が蘇る時間も提供します。
大自然に囲まれた環境の中で湯上りの庭園散策、気持ちがよさそうです。
こちらは客室内の温泉とは別に用意されたパブリックな露天風呂。
谷關温泉は枯渇することなく湧出しているため、年間をとおして安定的な湯量を確保できます。無色無味の弱アルカリ性炭酸泉で、肌への刺激が少なく、通称「美肌の湯」とも言われています。星のやグーグァンには、その温泉をじっくり堪能できる大浴場があります。日本的な木質系の内湯と、独創的なデザインの露天風呂で構成されており、谷關の自然を身近に感じる開放的な空間で湯浴みを楽しめます。
台湾の温泉は基本的に水着を着用して男女一緒に入るスタイルです。一部、男女別の裸体で入れる内湯が設置されているところもありますが、日本のように水着着用せず湯に浸かりたい場合は「湯屋」という貸切風呂を利用するのが一般的です。
この大浴場はどうなのでしょうか。
あとで確認したいと思います。
温泉旅行の楽しみとして欠かせないのはやはり「食」。
とくに美食の国として知られる台湾。どんなディナーが用意されているのでしょうか。
温泉養生で長期滞在しても飽きない充実のラインナップです。台湾で親しまれている食材と日本料理の調理技法をかけあわせた、新たな食の魅力に出会うことができます。たとえば、チョウザメの南蛮漬け。油でいったん揚げて旨味を凝縮させることで、淡泊な味わいに変化をもたらします。酸味のきいた南蛮だれに漬けて、さっぱりと仕上げた味わいは、温暖多湿な台湾の気候とも相性抜群です。調理技法だけでなく、器にも和の要素を取り入れました。九谷・備前・有田といった日本が世界に誇る陶磁器に盛られた日本料理は、五感に響き渡ります。
山間部の温泉地で「チョウザメ」というとちょっと驚かれるかもしれませんが、実はもともと谷関温泉の名物料理の食材のひとつ。
台湾では山間にチョウザメの養殖場が作られ、谷関温泉の中心部の飲食店でもチョウザメが泳ぎ回るイケスが設置されているほど。日本の山間部のニジマス料理のように、チョウザメ料理が人気なのです。
そんな食材が一体ここ星のやではどのようにアレンジされて登場するのか。
器や盛り付けにも和の要素がたっぷりとりいれられた繊細な料理、楽しみですね。
天井も高い広々としたレセプションです。
温泉フロア付のメゾネット客室
客室タイプは5つあり全50室。
<客室タイプ>
森羅 | 7名定員・216平米 | 3 つのベッドルームとテラスを兼ね備えた1室のみの特別室。 |
山霞 | 4名定員・112平米 | メゾネットではないフラットな造り。ご高齢の方やお子様連れにおすすめ。 |
月見 | 2名定員・105平米 | 温泉フロアが他タイプの2倍。客室での温泉滞在を追求したい方向け。 |
風音 | 3名定員・ 87平米 | 床座リビング(掘りごたつ)を設え、ご家族やグループでの滞在に最適。 |
水明 | 2名定員・ 75平米 | 窓からの景色が印象的な開放感あふれる設計。 |
ほとんどがメゾネットタイプになっています。
上の写真は「水明」タイプの客室ですが、奥に階段が作られています。のぼると上は「温泉フロア」。
このような半露天風呂が作られています。
すべての客室に半露天風呂を配しました。いつでも何度でも源泉かけ流しの温泉を楽しむことができます。ほとんどの客室がメゾネットになっており、プライベート感たっぷりの温泉フロアを設けています。
こちらは2名定員の「月見」。
部屋は105平米と広く、天井から床までの大きな窓ガラス越しに雄大な山景色を堪能できます。
温泉フロアだけでもかなりの広さ。
湯上りにのんびりくつろげるスペースが作られています。
台湾は沖縄より南に位置し年間通して気温も高め。
温泉の入り方も日本とは少し異なります。
「身体を温める」のは一緒ですが、温泉と冷泉を交互に入ることを好んだり、それほど熱すぎない湯に浸かり、しばらくすると出てのんびりくつろぎながら、果物を食べたりお茶を飲んだり本を読んだりし、また温泉に入るというスタイルの人が多いようです。
一般的に台湾の温泉では水着着用で家族や恋人同士など一緒に楽しめるので、そうした長時間楽しむ大型レジャープールにも近い過ごし方が定着しているのかもしれません。
日本人もここでなら、そんな「一日たっぷり温泉三昧」という過ごし方ができそうです。
こちらは「風音」で3名定員。
掘りごたつ式でテラスもついています。
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他に1室限定の特別室「森羅」と、メゾネットではないフラットな部屋の「山霞」の2タイプがあります。星野グループの施設の総代理店となっている台湾の旅行会社サイトには写真・間取り図などが載っていますので、興味ある方はそちらをご覧ください。
●森羅 - 虹夕諾雅 谷關 房型介紹|Rolisa Tour 湯桂禎國際旅行社
●山霞 - 虹夕諾雅 谷關 房型介紹|Rolisa Tour 湯桂禎國際旅行社
客室写真では伝わってこない要素として「フロア両側に窓」があります。温泉フロアは基本、客室からしかいけないため廊下がなく、両側に窓が設置され風が室内を通り抜ける構造になっています。
フロアの両側には窓があり、風が通り抜けるようなデザインです。風通しのよさは もちろんこと、窓からは雄大な山々やウォーターガーデンの景色を望み、暑い時期でもさわやかな風を肌に感じながら贅沢な貸切温泉を体験できます。また、湯上がり処では、くつろぎの時間を過ごせます。
これは実際に訪れてみないと体験できないところですね。
台湾の反応&関連記事
さて、温泉好きの台湾人。
日本でも温泉巡りをしている人がたくさんいます。そして星野リゾート(星野集団)の各施設は台湾でも絶大な人気を誇ります。
今回の「星のやグーグァン」開業ニュースは、台湾でどのように受け止められているのでしょうか。台湾人も多く利用しているFacebook上で検索してみました。
●老田鬧著玩粉絲團 - 【新聞】星野要來台灣啦!虹夕諾雅 谷關明年春天開幕
トラベルジャーナリストの方の投稿に、「好想去住(泊まりたい)」「一定要去!!!(必ず行かねば!)」「好興奮呀(わくわく)」などたくさんのコメントがついています。
●陳靜敏 - 享受溫泉療癒的慢活步調... 《虹夕諾雅- 谷關》預定於2019年6月開幕,4月開放預約...
写真とともに、谷関温泉の立地や施設の特徴を紹介する投稿にも、たくさんの反応がついています。
●ELLE Taiwan - 台灣最厲害的溫泉度假村!虹夕諾雅谷關!四月要開放預訂啦!手刀搶訂啊
ELLE台湾のFacebookページでも紹介されており、コメントやシェアを見ると、料金に驚きつついつか行きたい新しい目的地として設定した人などがいます。
●遠見雜誌 - 虹夕諾雅在谷關,是什麼樣貌呢?《遠見》為您來到現場直擊
星のやグーグァン誕生に至る経緯から、施設の設計、細部に至るこだわりなどまで詳しく紹介した記事で、Facebookでも多くのいいねがつけられています。
オンラインで星のやグーグァンを予約する
<2020年2月追記>「星のやグーグァン」開業から半年以上が経過しました。事前の予想通り台湾で大人気の温泉リゾートホテルとなり、予約困難な日も多いようです。日本人も多く訪れ、写真や口コミ情報をネットで見ることもできます。
予約はオンラインで可能です。
ホテル予約大手サイト「Agoda.com」や「Hotels.com」などではお得な料金が適用されている時もありますので、ぜひそれらを比較確認してみてください。
●「agoda(アゴダ)」で星のやグーグァンをチェック
●「エクスペディア」で星のやグーグァンをチェック
●「Booking.com」で星のやグーグァンをチェック
●「Hotels.com」で星のやグーグァンをチェック
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宿泊料金はNT$18,000~(約65,000円)予定で、プールやスパ、ライブラリなどの施設もあります。予約受付開始は5月中旬とのこと。
- 施設名 :星のやグーグァン
- 所在地 :台湾台中市和平区博愛里東關路一段温泉巷16 号
- 交通 :台北松山空港より台北駅で乗り換え、高速鉄道台中駅から車で約90 分
- 客室数 :50 室(全室半露天風呂付)
- 付帯施設 :大浴場、プール、スパ、ダイニング、ガゼボ、ライブラリーラウンジ、等
- チェックイン :15:00
- チェックアウト :12:00
- 宿泊料金 :1 泊1 室NT$ 18,000~(予定)*1NT$=約3.61 円 2019 年4 月現在
- 開業 :2019 年初夏(予定)
- 予約受付開始 :2019 年5 月中旬(予定)
この「星のやグーグァン」開業を契機に、日本ではまだあまり知られていない魅力あふれる台湾の温泉に日本人が注目しはじめるのではと当サイトでは大きな期待を寄せています。
そのようなわけで、今後もこの「星のやグーグァン」の最新情報をお届けしていく予定です。
お楽しみに♪
記事公開日:2019/04/16