台湾温泉ガイド

トップページ管理人レポート [2016年]

台北から日帰りで行ける陽明山の野渓温泉「八煙野渓温泉」

八景温泉会館の見学を終え、道順をフロントスタッフに教えてもらい、八煙野渓温泉に向かった。
八煙バス停で降りた場合には、週末ならおそらく大勢が温泉に向かうので、道に迷うこともないだろうが、こっちから登っていく人はほとんどいない。

ただ渓谷に沿った道をひたすらまっすぐ進むだけなので、入り口さえわかれば問題ない。入り口はこの「八景温泉会館」と書かれた看板の左側、車が数台停まっている間の道だ。

すぐに未舗装の遊歩道になる。

ときおり上から降りてくる人とすれ違うので、「温泉ってこっちですよね」と聞いてみると、にっこり「そうですよ」と答えてくれる。温泉にたっぷり浸かった後なのだろう、なんとなくほんわか&まったりしてる。

遊歩道の脇の渓流も、白い泡の渦を作りながら岩を乗り越えて流れており、本当にきれい。

ほとんどは歩きやすい道なのだが、たまにこんな場所もあるので、ヒールやビーチサンダルではなく、歩きやすい靴で来たほうがいいだろう。

山登りなどしない自分にとっては貴重な清流風景。
心洗われるとはまさにこのことか。

そして緩やかな登りの遊歩道をのんびり進んでいると・・・

道を越えて水が流れていた。
何気なく上をまたいだ瞬間にもわっと立ち上がる水蒸気に驚かされた。

これ・・・、お湯だ!!!

そして写真撮影などしながらのんびり歩くこと30分。
遂に到着した、「これより先進入禁止」のゲートに。

でもその奥から年配女性3人がこちらに向かってやってきた。

「入ってもいいんですか?」
「入口はそっちよ」

・・・確かに。

そして少々どぎまぎしながらゲートを越えると、数十メートル先に人が大勢立っていた。何やら賑やかな声も聞こえてくる。

これまで人とほとんどすれ違わなかったけど、実は結構人がいるのかな?
興奮する心を抑えながら近づいていくと・・・

結構どころじゃない!

人だらけだ!!!

渓流沿いを30分以上歩いた山の中なだけに、真剣に驚いた。

自然の中に湧いた温泉。
ほんものの岩風呂。

白濁したお湯に肩まで浸かり、気持ちよさそうにまどろむ人。

それにしてもすごい人だ。
ちなみに左側を流れているのは、これまで自分がずっと脇を歩いてきた渓流で、もちろん冷たい水。

この渓流の水と、右側の高台から流れ落ちてきた源泉の熱湯が混じりあって、この岩場でちょうどいい水温になっているのだ。

たくさんの湯壺ができあがっていて、それぞれ自分の好みの水温のところに浸かっている。水着を着ていない人も足湯を楽しんでいる。

お湯はややねずみ色がかった白濁。

水も温泉もどんどん流れ込んでいるので、温泉部分にも流れがある。

私も、洋服の下に着込んでいた水着になり、さっそく湯に浸かることにし、荷物を置く場所を求めウロウロし始めた。

・・・と、ここでひとりの人と目があった。
傘をかぶり、全身泥パック。

どこにその泥あるんですか?と聞くと、温泉が流れている滝の上を指さす。その途中に泥がたまっていて、肌にいいのだとか。もちろん滝の途中で塗ったわけではなく、持参したビニール袋に泥を入れて運び、ここで塗っている。

折りたためる着替え用テントを持参している人たちもいた。

Tシャツ・短パンで入っちゃっている人も。
この日は気温も高く、日差しがあるところだと洋服越しでもチリチリ熱く感じるほどだった。濡れたままでも歩いているうちにすぐ乾くのだろう。

近くにいたお兄さんに撮ってもらった記念写真。

台湾の温泉では「冷泉」も必ずあり、温泉─冷泉交互に入る人が多い。
ここでも冷たい渓流のほうに入ってクールダウンしている人たちがいた。

温泉が流れてきているのはこの滝状の場所だ。
大きな岩がごろごろ積み重なっている。

八煙のバス停で降りた人たちは、必ずここを通ってこなくてはいけないらしい。

熱湯が流れている。
登り降りの最中にうっかり足を滑らせたら、怪我だけでなくやけどする可能性もあるので注意が必要だ。

温泉からの帰途。
台湾の温泉は本当にワイルドだ。

どんどん流れてくる熱湯。

そのまま下っていき、向こう側を流れる渓流の水と混じりあって、大勢が集うあの湯壺を作り出している。あまりにその空間が楽しげで、離れがたく何度も振り返ってしまった。

そして新たにまた、新しい温泉客が。
かなり険しい道だと思うんだけど、小さな子供も一人で頑張って降りていた。

上流側の進入禁止ゲート。

今度はここから、八煙バス停に向かって歩くことに。

八煙温泉会館から野渓温泉までが清流ルートだったとすると、こちらは温泉ルート。
道のすぐ横を、水蒸気あげながら熱湯が流れている。

源泉にも近い温泉の流れ。
触ったらきっとやけどものだろう。

そしてどうやら、このあたりが源泉のようだ。
真っ黒い岩・石がごろごろ転がる谷間からは水蒸気がもくもくと立ち上り、その間からちょろちょろとお湯が流れているのが見える。

さらに上へ。
やはりこのルートは、八煙バス停─(下り道)→八煙野渓温泉─(下り道)→八煙温泉会館の強薪バス停 と下りで歩いたほうが楽だ。

日焼けしそうなほどの晴天。
見晴らしも最高。

いつの間にか、先ほど歩いてきた源泉エリアははるか下となっていた。野渓温泉があった場所は木に覆われてまったく見えない。写真左上のほうにカーブする渓流が見え、その近くにある建物が出発地点の八煙温泉会館だ。その山の陰になっているあたりが、平地にある八煙温泉区だろう。

バス停近くにはこんな水田?もあった。

台湾に多い、いわゆる観光農場らしく、ここも多くの人で賑わっている。

冬と春の間の山間風景では・・・

おたまじゃくしが小さな子供を興奮させていた。

ここまでくると、ドリンクやちょっとした食べ物も売っている。

おまんじゅうが美味しかった。

あと腸詰も♪

そしてやっとバス停に。
写真撮りながらのんびり歩いてきたので、野渓温泉から40分くらいかかった。

バス停のところには仮設のトイレもある。
ここから先、野渓温泉も含めてトイレは皆無なので、バスで来た人はここで用を済ませてから山に入ったほうが安全。

バス時刻表。

ただし金山出発時間なので、これに20分くらい足した時間になる。この時は13:30金山発のバスが、13:55にここに到着した。